のんchan

悪魔の陽の下にののんchanのレビュー・感想・評価

悪魔の陽の下に(1987年製作の映画)
3.7
モーリス・ピアラ監督鑑賞3本目
『裸の幼年時代』がトリュフォー味があってとても好みでした。

この作品はヴィム・ヴェンダースの『ベルリン・天使の詩』を押さえてカンヌ国際映画祭パルムドール賞を受賞しています。

ジェラール・ドパルデューが主役、ヒロインがサンドリーヌ・ボネールで興味を持ち観たのですが、重要な役所で監督自ら出演していました。素敵な方でしたが、監督の前は画家だったそうです。


北フランスのカンパーニュ地方。主任司祭スグレ神父は、熱心ながらも自己否定感に縛られて並外れた苦行に身を減らす助任司祭ドニサン神父を心配しつつも内に秘めた神秘性を感じていた。
16歳の性に奔放な少女ムーシェットは侯爵と不倫関係で妊娠する。告げに行くと卑劣な逃げ腰だったため逆上し殺害してしまう。土地の医師とも関係を持っていたため助けを求めるも無視される。ムーシェットは自分の存在意義を失って自殺。心優しいドニサン神父は血まみれのムーシェットの死体を聖堂に運び込んで醜聞となり、5年の修道院生活を強いられる。
その後、ランブルで主任司祭となったドニサンは村の人々に信頼される。多忙を極め寝る時間もない日々。亡くなって間もない子供を甦らせたが、それはまるで子供の中の悪魔と戦ったエクソシストのようであり、心身共に疲労困憊して息を引き取る。


宗教色が強いので好みは分かれそうです。
私は無宗教なので、ドパルデューがあの頑強な体躯に自ら鞭(鎖に見えた)打つ姿や目眩で倒れる姿が可笑しくて、まるでコメディかと思って失笑してしまった。

小説原作の映画化なのだが、正直、これがパルムドールとは...
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