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サンダカン八番娼館 望郷のqqfowlのレビュー・感想・評価

サンダカン八番娼館 望郷(1974年製作の映画)
4.5
原作は、女性史研究者でノンフィクション作家の山崎朋子さんによる「サンダカン八番娼館 ―底辺女性史序章―」未読。

家が貧しく、母親の再婚の邪魔だからと、10代で売られて「からゆきさん」になった明治生まれの老女の半生を、若い女性史研究者が聞き書きする。老女が田中絹代さん、若い研究者が栗原小巻さん。田中絹代さんが素晴らしかった。その若い頃を高橋洋子さんが演じた回想シーンでは、作品のテーマに合ってるのかどうか疑問に思うような、つまり性を搾取する側の目線を想起させるようなシーンもあったが、そこさえ諦めれば十二分に傑作だった。

「からゆきさん」のニュアンスから、何となく大人の女性が自分の意思で外国に渡ったのかと思っていたが、実態はただの少女人身売買だった。なぜこんな言い方になったんだろう。
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