菩薩

ギリギリの女たちの菩薩のレビュー・感想・評価

ギリギリの女たち(2011年製作の映画)
3.5
小林政広、って皆さん嫌いなんですかね…。僕は結構この人好きでして、特に『ワカラナイ』は『誰も知らない』に匹敵するレベルの傑作だと思ってるのですか、誰に聞いても、「小林政広?ワカラナイ…。」って言われる始末(これが言いたかっただけではありません、もう暫くお付き合い下さい)。確かに地味な作品は多いし、作家性も強い人だと思うので万人受けするとはこれっぽっちも思っとらんですが、もし気が向いたらツタヤさんなりゲオさんなりでお手にとってみてください。

さて、この作品ですが、冒頭から35分ワンカットと言う謎の挑戦的な姿勢から突入してきます。全体のカット数も28カットと極少、この時点で映画好きな方は「おっ?面白そうやんけ。」と思うか「えぇ…つまらんのが目に見える…」って思うかだと思いますが、正直後者の方が当たってるかもしれない…。まぁでも渡辺真起子ですよ、僕はこの人が演じるやさぐれ感が結構好きでして。後は中村優子、『ストロベリーショートケイクス』(原作の方が好き)で1番好きな「秋代」を演じてる彼女が遠目からだとまぁ美しい。三姉妹のお話なのでもう一人いるんですが、その子は正直別に…。3人のメンタル以外は何がギリギリかはよく分からない姉妹がバッチバチの肉弾戦を繰り広げるバトルムービーですが、一応震災直後の気仙沼を舞台にしており、その辺りもきっと今作が嫌われる要因になってると思います。想像に容易いかと思いますが、そりゃまぁ当然演劇的で、それもまた嫌われる要因かと…。ってマイナス要素ばっか書いてどうすんだと思いながら、人の喧嘩見るとなんか笑いたくなる時ありませんか?そんな人にはちょっとおすすめできるかもしれない。でもこの作品を小林政広初体験にするのは間違ってると思うので、『ワカラナイ』とか『春との旅』から初めてくださる事を願います。女はいつだって、強く逞しいもんですね、男なんかより全然。なんとかなるは魔法の言葉。
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