佐藤克巳

昭和のいのちの佐藤克巳のレビュー・感想・評価

昭和のいのち(1968年製作の映画)
3.5
「大幹部」「あゝひめゆりの塔」等で好調の舛田利雄監督の、ポリティカルか任侠かの不徹底さはあってもアクション映画の力作と評価出来る。岡田英次、浜美枝、中村賀津雄、南原宏治の異色配役だったが、見せ場は、赤線玉の井からの足抜け事件だろう。女郎に売り飛ばされた北林早苗の救出を試みる軍人高橋英樹、赤の浜田光夫、テキヤ青木義朗、鈴木ヤスシ、藤竜也。石原裕次郎が止めに入ろうとしたが時既に遅く北林は脱出、女郎屋の二階には裕次郎の恋人で遊女に堕ちた浅丘ルリ子がいた。裕次郎は、躊躇い乍ら浅丘救出に動いたが、浅丘は裕次郎の犠牲になって弟に殺害される。私がこの作品を好まないのは高橋の血気盛んな熱情に比べて、裕次郎の浅丘に対する冷淡さだ。
佐藤克巳

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