まさかの任侠meets仏門。いや〜田宮二郎かっこいい〜かわいい〜。そして天知茂の全力投球。ヤクザの出兵、復員、戦後の地上げ…“新・悪名”('62)と似たプロット。しかしあのバディ路線とは違ってこの復員したヤクザには仲間がいない。スリの頼りない子分だけで、ヤクザ仲間どころか、地上げにおびやかされている曙町の人々さえ一緒になって闘ってくれることはない。正しいと思うこと、天知茂の意に沿うと思うことをしようと立ち上がったのに、組織のない極道者はなんて孤独なのだ。
しかしヒロインの華のなさ…大映末期か…えコレ65年？まぁ傾きかけてるとはいえ、まだ良作作ってる頃だから末期とは言いたくない…でもこの華のなさは大映の斜陽を感じさせる。まぁ田宮二郎と天知茂ってだけで画面は暑苦しいほど濃いので、寒々しいってことは無いんですけどね。
