このレビューはネタバレを含みます
徹頭徹尾何も報われない、夢見がちな中1少女の青春残酷物語。
「エイス・グレード」の元ネタというので観たのだけど、「エイス・グレード」より時代をさかのぼるので、学校も家庭も今より人権意識の低い劣悪と言える環境だし、悪口もオブラートに包まずかなり直接的で底意地が悪い。現代だったら軽く裁判沙汰になってもおかしくない感じ😅(例:ブス、レズ、ホモ、低能、ケツ穴etc…プラスでゴミを投げつけたりロッカーに落書きしたり脅迫したりのイジメ)
衝撃だったのがクラスのカースト上位の女の子が学校のトイレで主人公に因縁をつけ「ウン◯しにきたんでしょ?見ててやるからウン◯しなよ!」って目の前でウン◯させようとするシーン。こんなこと言われたら私だったら泣く。。てか他人のウン◯シーンなどライブで見た日にゃ精神病むよ普通…
でも主人公のドーンっていつもこういうひどい仕打ちをされるからか、傷ついても怯えてても根本的に鈍感でタフ。いじめっ子にレイプ予告されてものこのこ付いて行っちゃうし(前提としてレイプ予告されても相談する人が誰もいない)、妹ばかりえこひいきする家族にもキレたりしない。唯一妹を枕の下に隠しているトンカチで撲殺しようとするシーンあるけど、やっぱそれはしない。優しさじゃなくて、諦念というか。予め全てを諦めて生まれて、あらゆる運に見放された少女、それがドーン。殺人者にも被害者にもなれない。妹は誘拐被害者として華々しくメディアデビューしたというのに…
しかもその誘拐事件解決後、全校生徒の前で「妹は無事でした、皆さん有難う」と作文読まされてる時、いじめっ子を筆頭にまさかの全員からの「ドブス」コール!校長が「やめーい」っつって、いったん騒ぎは収まるものの「続きを」と促されて、いや、この空気で無理でしょうよ⁈って思ってたら、まじで続き読んじゃうし…💦健気、生真面目、頑迷だけでは片付けられない、なんというか、完全なるデクノボーぶりに乾いた苦笑いしか出ない。。
夢も希望も無いと言っちゃそれまでだが、ただただその瞬間瞬間を彼女なりに懸命に生きてヘマばかりのドーン…ただドーンが凄いところは、生まれたことを呪ったり、人生を悲観したり、世界に完全には絶望したりしていないことかなと思う。そこが救いなのかなと。
未来のドーンがほんのちょっぴりでも陽の目を見られますように…😢🙏