ぼっちで陰キャな学生たちのどうしようもない生活をリアルに描く作風は見ていてしんどくなってきたけれど、それでも最後の方には主人公の少女と陰キャだった自分の境遇が重ねあって彼女が不思議と愛おしくなってくる。そんなドラマをポップなオブラートで包んだ語り口は軽快ではあるが、陰キャやブサイクは学校ではもてはやされない現実が一層エグく突き刺さってきた。
学校では苛められてプライベートでは可愛い妹を家族に贔屓されるという主人公の生活は悲しいけれど、もっと悲しかったのは彼女を苛めていた不良少年の一人が陰キャだったことが発覚したとき。
どん詰まりな状況であんな陽気な歌を歌わされるラストは心に重くのし掛かるものがあるが、意外とタフでしたたかな彼女ならなんとかなるという微かな希望も湧いてくる。
それにしても厄介な主人公の性格は『BU・SU』の富田靖子を彷彿とさせるけれど、こういうのは日米でも共通するのかしら。