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日本の首領(ドン) 完結篇のShinMakitaのレビュー・感想・評価

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*追悼:中島貞夫


「二度とこんな茶番はやめるんだ。ヤクザになるのは医者になるほど楽じゃない」


右翼のフィクサー、大山喜久夫が噴門部癌からの吐血で倒れた。関西を支配する中島組組長・佐倉一誠と、関東の暴力団を纏めあげた関東同盟総帥・大石剛介が見舞いに駆けつけると、大山は病床で改めて2人の組織を併合する「大日本同志会」設立の案を持ちかける。大山と昵懇の大石は前向きに考えると返事するが、かねてからこの案に反対を表明している佐倉は言葉を濁すだけだった。最近、大石がサイパン開発に乗り出し勢力を増していることを佐倉は知っている。大石の後ろ盾である大山を潰しておきたい佐倉だったが、仁義として娘婿・一宮を大山の入院先に派遣することにした。一宮は胃癌手術のエキスパートで、治療不可能と言われた大山を救える唯一の人間だったのだ。

そんな頃、サイパンで麻薬密売ルートを広げた中島組 傘下・川西組の構成員が関東同盟の下っ端と小競り合いを演じてしまった。これを発端として、佐倉は川西組に関東同盟攻撃を命じる。川西組長の懐刀・宮原は、与党議員・刈田に接近。住宅公団に顔がきく刈田を使い、関東同盟の地上げシノギを邪魔していく作戦だ。対する大石は、刈田の動きを封じるため意外な作戦をとる…



「日本の首領 完結篇」





サイパンロケまで敢行し、佐分利信・三船敏郎・片岡千恵蔵の三大スターが並ぶ豪華編です。今回のキーマンは刈田議員=西村晃。佐倉と大石の両者を適当に渡り歩いたおかげで窮地に陥る役どころです。大谷直子みたいな可愛い妻も作ってウハウハやっていたツケが回ったんですね。そして、シリーズ通しての影の主役、一宮医師=高橋悦史も、人生最大の転機を迎えます。医師としての矜持をとるか、佐倉一誠の息子としての道をとるか、難しい決断を迫られるのです。



ヤクザ映画嫌いな方にも自信を持ってオススメできる「日本の首領」。品格があり、組織描写力に長けた中島貞夫監督を偲んで、3作まとめてぜひ!
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