みんと

ジャッカルの日のみんとのレビュー・感想・評価

ジャッカルの日(1973年製作の映画)
4.0
ずっと気になってた名作を鑑賞。
面白かった!引き込まれた!

『ジャッカル』って、ラグビーに沸いてる今だとついつい姫野選手の得意技をイメージしてしまうのは私だけかなぁ…?
いやいやコードネーム“ジャッカル”だった。

フランスのド・ゴール大統領暗殺を請け負った孤高の殺し屋ジャッカルと、彼を阻止しようとする警察の戦いをドキュメンタリータッチで描いた社会派サスペンス。

イギリスのスパイものは大好き。決してハリウッドの様な派手さは無いけど何処か品がある。スマートに淡々と任務をこなす感覚が好み。

しかも今作はフランスが舞台。街並みも映像もお洒落ムードが漂い、更にワクワク感を煽られた。とりわけ決行日となった8月25日は“パリ解放記念日”。
まるで実際の式典パレードの中で撮影したかの映像の積み重ねが緊迫感を煽りサスペンスを盛り上げていた。

また、望遠レンズでのロングショットを多用し、空港や駅の雑踏の中に人物を溶け込ませることでドキュメントタッチの映像を見事に描き出していて、そのスリルには釘付けだった。

前半はジャッカルの知能を尽くした抜け目ない準備と用意周到さに見入る。スマートでキレのある身のこなしもまさに英国紳士。(実際、当時無名に近いイギリス人俳優起用が功を奏してる)
1番の見せ場は森での試し撃ちシーン。枝に吊るされたスイカを頭に見立て微調整で仕留めるジャッカルの姿にゾクゾクする。
勿論、次から次へと変装過程も見逃せないところで。

後半になってやっと登場するフランス警察きっての切れ者ルベル警視。決して有能そうに見えない熊の様な風貌にアレ?
…とは言え、最後の最後まで顔を合わせる事無く、包囲網が縮まりそうで縮まらない攻防がもどかしくもまた見応え。
結果、下手に俳優オーラは不要だったのかも。笑

劇伴も無く、淡々と進むが故、しかも尺も長めとなると若干の中弛みを感じてしまったのも正直なところだけど、最終的にジャッカルの素性は明かされずモヤモヤ終わる締め方もかなり好み。
みんと

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