東朴幕院

雨の中の兵隊の東朴幕院のレビュー・感想・評価

雨の中の兵隊(1963年製作の映画)
3.5
スティーヴ・マックイーンを目的に初鑑賞。クレジット的には『ミネソタ・ファッツ』事、ジャッキー・グリーソンの方が上のバディ・コメディ映画だ。監督は、ラルフ・ネルソンとシドニー・ポワチエの『野のユリ』が代表作。私は、彼の監督作は『エンブリヨ』しか見ていない…。大分、晩年の作品なんだろうなぁ。
ところで本作、『雨の中の兵隊』はちょっとだけそのシーンがあるものの、全体的に笑う程でもない笑いや失笑や呆れを感じながら見るコメディで中々、難しい。
マックイーン演じるクレイ軍曹とグリーソン演じるスローター曹長との交流を描いているが、クレイ軍曹は除隊後の儲け話ばかりで、キャラクター造形が貧弱さを感じたね。それでもバディが病に倒れたり、愛犬が危篤だと聞くと脇目も向けず駆けつけようとする所は情が厚い男なのだなと好感が持てるね。
スローター曹長は、外の世界である世間が怖く除隊するか迷っている所がクレイ軍曹とのギャップが面白い。
ストーリーはかなりグタグタであるが終盤の30分は良いねぇ。それまでのグタグタが吹っ飛ぶ勢いだった。あれだけ除隊後の生活を夢見ていたクレイ軍曹が再入隊する所に彼なりのケジメがあったのだろうと思うとホロっとするね。
マックイーンのコメディ路線に振り切った作品でもあるのでファンは必見だ。
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