mahirunoahiru

脱出のmahirunoahiruのレビュー・感想・評価

脱出(1972年製作の映画)
-
 古典っぽいけど観てなかったな。TSUTAYA DISCASになかったのかもしれん。
 2020年代の映画が、ひとつの映画の中に15個くらい展開が入ってるとすると、これは5個くらいしか展開が入ってないので、途中で止めて時間確認したら「え!?これミッドポイント!?」とか「第三幕なし!?」とかいちいちびっくりしてしまった。作法が確立される前の作品なのね…。でもちゃんと面白かったけど。
 あと最終的に悪いことしたやつが適切な罰を受ける話になっていなくて、私はいいけどアメリカ人的に大丈夫なんか。なんかそういうの気になるらしいじゃん。それもまた作劇技法過渡期の作品だからなのかね。
 私ならどうするかな、とりあえず地元民殺したのは一度露見させるべきなような…。あとドリューが撃たれてカヌーから落ちたっていうのは確かな話なんですかね。最初、慚愧の念に打ちひしがれてひとりで落ちてったのかと思った。
 私ならこうするパターン→ドリューが勝手に死んだのを、地元民(差し歯の男)に撃たれたからだと疑ってかかる一行。怪我の手当てに川辺の植物を使うが、それには実は幻覚作用がある。植物の幻覚作用と殺人を隠蔽したことへの罪悪感からいもしない差し歯の男の幻覚を観るようになり、一晩中追い回され、苦しめられる。幻覚の差し歯の男を恐れるあまり、現実の差し歯の男を殺しにいく3人。差し歯の男を(3人的にはやっとのことで)撃退する。あちこち移動したため、序盤に出会った地元民(遺伝子不良のバンジョー弾き)と再会する。だがバンジョー弾きに、なんらかの痕跡から殺人がバレてしまう。相手のバンジョー弾きはひとり、こちらは怪我人もいるものの3人。他に目撃者はなし。「殺せば隠蔽できる」という状況が再現され、各々の選択も再現される。ルイスはバンジョー弾きを殺そうとする。エドとボビーは、こっちが襲われているわけでもないのに殺すなんてさすがに殺人なので、ルイスには加担できない。考える前に体が動き、バンジョー弾きを助けるエドとボビー。ルイスは、自分の幻覚が生み出した差し歯の男と最初に殺したはずの強姦魔に襲いかかられ、自ら足を滑らせ川底へと落ちていく。エドとボビーはバンジョー弾きを村まで送り届けるが、バンジョー弾きは命を救われた礼として殺人のことを地元の警察に話さない。
『ヒルズ・ハブ・アイズ』をなんとなーく彷彿とさせるシーンが多くてときめいてしまった。元ネタ映画のひとつなのかなー。
mahirunoahiru

mahirunoahiru