りょうすけ

脱出のりょうすけのレビュー・感想・評価

脱出(1972年製作の映画)
3.5
「脱出」

ダム建設により水没直前の山岳地帯に川下りに来たおっさん4人が大変な目に遭う話。序盤、遺伝子疾患を持つ子供との演奏シーンでほのぼのした感じを味わえるが、村の住民を怪しげに感じる(結局何事も無かったけど)ところから雰囲気が段々と不穏になっていく。

途中、陸に降り立った時に偶々出会った現地民2人組に暴行されたので、バート・レイノルズが弓矢で1人を殺し、もう1人は逃げてしまう。4人はもう1人が戻ってくることに怯えながら早めに帰宅するために川を下るが、激流に飲まれ、事態はさらに悪化してしまう…

サバイバル映画にありがちな展開ではあるが、撮影のおかげで他の作品とは一線を画すように感じる。激流に4人が飲まれるシーンは撮影で怪我人が出なかったのかと不安になる程、大迫力で、手に汗握る。自然の恐ろしさだけでなく、これを撮影しようと思った人間にまで恐ろしさを感じてしまう。

「ゴッドファーザー」がアカデミー賞を受賞した年に同じく作品賞にノミネートされていた作品らしい。映画としての面白さは「ゴッドファーザー」のほうが上だとは思うが、撮影という点では優劣をつけることが出来ないほど素晴らしい作品だと思う。
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