フジタジュンコ

精神のフジタジュンコのレビュー・感想・評価

精神(2008年製作の映画)
4.0
想田監督の「観察映画の十戒」 https://www.kazuhirosoda.com/jukkai そのままに、音楽もなし、ナレーションもなし、シナリオもなし、作り手によるストーリーはなく、ただあるがまま、そこに映る人のストーリーがあるだけ。でも、その人のストーリーは私には見えない。

少しだけ監督がしゃべる。登場する心を病んだ人々はめちゃくちゃしゃべるしゃべる。しゃべりまくる。映像を通して、「観察」ではなく「評価」や「判断」をしている自分に気づく。ああ、いやだな、と思った。あるがままに撮られた人々を、私は偏見と思い込みとバイアスだらけで見ている。やだな、ほんと私やだなあ。