あもてゃ

トレインスポッティングのあもてゃのネタバレレビュー・内容・結末

トレインスポッティング(1996年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

間違いなくもっとも観た(&聴いた)映画だが、劇場で観るのは初めて。サントラが素晴らしく、日々BGMとして垂れ流していた。父の車でよくかかっていたため、Underworldの方を先に知っていた。最初に観た時、知らないはずなのに、とてもしっくり来たことを覚えている。

さて、本作はもはや私の血肉となっており、何を書いても個人的な話になってしまう(違法薬物は除く)。若きレントンの躍動する身体、中毒、選択の拒否、堕落、ハッタリ、映画語り、クラビング、故郷への憎しみ、友人の死、罪悪感、フラッシュバック、裏切り、破壊、微かな希望。特に、自ら破滅的な結末を望むかのように全力疾走し、車に激突して虚ろに哄笑するシーンが好きだ。この映画の全てが私の生を裏側から肯定し、突き動かす。決して真面目に生きるだけが人生ではないと。

本作の面白い点は、映像面はもちろんのこと、弾丸のように単語が捲し立てられるモノローグにあると思う。冒頭とラストにおける人生の選択肢、禁ヤクの諸道具、犯罪行為の数々、薬物の名称、さらにダイアンのレントン評も。これらが本作に心地よいリズムを生んでいる。

今回劇場で観て感じたのは、小さな画面では見落としていた細部と、最後のメタ演出の良さ。ずっと憧れだったレントンが、ようやく私に直接語りかけてくれた気がした。20代のうちに劇場で観れて本当に良かった。