結杏

トレインスポッティングの結杏のレビュー・感想・評価

トレインスポッティング(1996年製作の映画)
5.0

奇抜かつ刺激的な作品。「ドラッグ、セックス、金、喧嘩 に溺れて生きる若者たちの物語。」というと何だか危ない匂いしかしないが、彼らは言う、
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”豊かな人生なんて興味はない”
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「ドラッグは危険だから止めましょう」ということを訴える映画では無い。我々人間は、自分の知らない世界を知りたいという欲望をいつだって、誰しもが持っている。だが、リスクは犯したく無い。そう、自分に危険が及ばない範囲で、新しい世界を知りたいと思っているのだ。これはまさにそんな願いを叶えてくれる作品!と言ったら言い方がおかしいが、まあ、あながち間違えではないだろう。ドラッグの恐ろしさ、そして魅力を伝えてくれる。
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独特な雰囲気、独特な色使い、独特な時代。その中を生きる、”孤独”な若者。何も家族がいるから、友達がいるから孤独を感じない訳ではない。むしろ、人に囲まれていた方が孤独を感じることは無いだろうか。主人公レントンは、そんな”孤独”を感じる青年。仲間と距離を置き、ヘロインを止めたいと強く願いつつも、彼は何度も何度もドラッグに手を染めてしまう。ヤクを断ち切ろうともがき苦しむ場面は凄い...。圧巻。何だかこちらまでドラッグに手を染めてしまったような、そんな気分陥る。緊張感と恐怖感に心臓がバクバクする。とにかく凄い、凄過ぎる。
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ユニークで活気に溢れる仲間たちが登場するのも今作の魅力だ。全員が考え方も生き方も違う。そして彼らは私たちと同様に、
選択に迫られる毎日を生きている。未来がどの方向に転ぶかなんて分からない。自分の力で選び突き進む。刺激的な暮らしを選ぶ?それとも普通の暮らしを選ぶ?果たして彼らは最後に、どちらを選ぶのか。
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”未来を選べ”
結杏

結杏