ジャケット写真でなんとなく避けていたが、想像以上の編集のキレ、アンダーワールドのエレクトロミュージックに彩られた作品世界が炸裂しており、これまた後悔した。
ドラッグしてトリップする瞬間は美しさが訪れ、アンダーワールドが流れる。
これが最高にクール。
ケリー・マクドナルド演じるダイアンが悪魔的に美しい。
日本でいう中島セナのよう。
経済の低迷、あらゆる規範の崩壊したイギリスが舞台。
バブル崩壊後の90年代の世相を反映するかのように日本でも大ヒット。
少女は回春に走り、若者はドラッグとセックス、酒、タバコ、窃盗、ありとあらゆるクソに身を委ねる。
オアシスが流行ったイギリスの空気感がひしひしと伝わりめちゃくちゃ面白かった。
取り繕おうとか、美しく見せようとか全くないありのままのクソ。
ヘロイン中毒、ケンカ中毒、セックス中毒あらゆる中毒に画面が溢れる。
そんな世の中は変わりつつあるが、パンクロック好きな主人公は取り残されてもいる。
そんな彼は普通を求めて、仲間を捨て、
クソ生活を脱する。
そんな自分を「ワル」だという皮肉。
薬物を正直に描くことで、薬物防止映画になっている二重構造も面白い。