どらこ

トレインスポッティングのどらこのレビュー・感想・評価

トレインスポッティング(1996年製作の映画)
4.6
オビワンがジェダイのパダワンになる前のお話。
彼はジェダイになる前、なんと薬物中毒者だった。

内容的には「死ぬほど面白い!!」ってわけではないのに、
なんだろう、
映像全てが脳裏に焼きついて離れない。
一言では言い表せない作品だった。


映画というより芸術に近いのかも…編集や演出がこの映画でしか見た事ないオリジナリティに溢れるもので、
特にDark And Longが流れるヘロイン副作用との闘いは恐怖と狂気と歓喜が入れ乱れていて、
すごくリアルだった。あの赤ん坊の作り物感が超ツボだったwww

トイレのシーンはさすがに目を背けてしまった……実はあのウンコはチョコレートを水で溶いたものらしく、現場は甘い匂いに包まれていたそうな。

そして薬物の取引に向かうシーン。横断歩道を渡る彼らは、ビートルズのアビーロードそのものだった。しかしビートルズとは逆方向に歩いている。
これから栄光ではなく破滅に向かう事を暗示しているかのように。

個人的No.1キチガイはベグビー。基本的に逆ギレ体制の、本当に近寄りたくもないヤベェ奴。
レントンとベグビーは小学校からの友達で、ずっと逆らえなかったらしい。離れたくても離れられない、しがらみというものを具現化したような存在だったそうだ。


この映画のすごい所。
それは薬物映画なのに重い雰囲気はなく、常に軽快で楽しげな雰囲気で描いているのに、
結果だけ見れば最悪な出来事しかない、救われない内容になっている。
赤ちゃんの死、エイズ、友の死、職を失う、仲間からも命を狙われる、そしてどう足掻いても薬物の手から逃げられない。

俯瞰で見たら恐ろしい内容になっている。なのに見た後は不思議とスッキリした気分になっている。
すげぇな〜〜



UNDER WORLDのBorn Slippyが流れるシーンでレントンは言う。
「なぜ裏切った?本当のところは俺がワルだからだ。だが変わろうと思う。これを最後に足を洗って、カタギの暮らしをする。楽しみだ、あんたと同じ人生さ。出世、家族、大型テレビ、
洗濯機、車、CDプレーヤー、健康、低コレステロール、住宅ローン、マイホーム、おしゃれ、スーツとベスト、日曜大工、クイズ番組、公園の散歩、会社、ゴルフ、洗車、家族でクリスマス、年金、税金控除、平穏に暮らす。寿命を勘定して。」

ここに全てが詰まってる。



TSUTAYAにトミーのハメ撮りディスクがレンタルされていない事を願う。


オビワンにはこういった過去があった。
名前を変え、過去も全て捨てて、その手にはヘロインではなく、ライトセーバーが握られていた。


彼はジェダイマスターになったのだ。
どらこ

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