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女賭博師花の切り札のmitakosamaのレビュー・感想・評価

女賭博師花の切り札(1969年製作の映画)
3.5
スカパーにて。スッゴイ面白かった。シリーズ15作目にして未だマンネリ化していない脚本が素晴らしい。
過去14作とは似て非なるストーリーがなかなか秀逸だ。

冒頭、二つの組の存続をかけた手本引き勝負で、いきなり敗戦する銀子。
相手は天知茂演じる“素走りの浅造”。劇中最強の勝負師として君臨する。
天知茂の濃ゆい顔相もキャラクターの濃さに拍車をかけるわ。

銀子の敗戦で組を解散させてしまった苦い始まり。
オープニングで新曲が流れ、次は賭場荒らしから始まる。なに?この店舗の早い展開???
解散させられた組の構成員が復讐のために賭場に殴り込みをかけるという展開。

生き残った組の組長(成田三樹夫!)は勢力拡大に努める。
またしても成田三樹夫の登板だが、今回の悪役はひと味違う。なんというかただの悪じゃなく、ちゃんと信念がある感じ。
そして組お抱えの胴士を、素走りの浅造から“夜泣きの半次”に乗り換える。

この夜泣きの半次が津川雅彦!これまた格好良い!
イカサマをするのだが、小ズルく無い。むしろ戦略として堂々とイカサマをしてる。勝つ為の非情な策略家なキャラクター付けが絶妙!

さらに、銀子の師匠として“早見えの政吉”に船越英二。
一癖も二癖もある俳優陣の競演も素晴らしいが、あえて銀子を劇中最強キャラにせず、ライバル二人に挑む形にさせたのが成功の要因だと思う。

しかし胴士にいちいち二つ名があるのが良いよな。素走りの浅造、早見えの政吉、夜泣きの半次。昇り龍のお銀と共に実に味がある。
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