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狂熱の果てのtosyamのネタバレレビュー・内容・結末

狂熱の果て(1961年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ドラマぐるぐるメダマンの感想を書こうと思ったらフィルマークスに無かったので代わりに本作の過去稿を以下に加筆で。ジャズ映画にはちがいないのだが石原慎太郎の太陽族のそれのような解放感やスピード感とは無縁の三島由紀夫の鏡子の家っぽい六本木族の閉塞したモダンジャズ映画。ニューオーリンズ発のジャズが本来もっていたブラックマジックでブードゥーな呪術音楽としての側面が強調されててハードバップではないモードジャズが映像化されたような作品。そういう意味では死刑台のエレベーターなどのヌーヴェルヴァーグ寺山修司の実験映画atg系の思想映画にもちかい。この手の裏太陽族黒太陽族闇太陽族なモダンジャズ映画としては鈴木清順の殺しの烙印と双璧。あそこまでひとりよがりではないところがとっつきやすい。この薄っぺらでポストモダンな観念的表層感は東京ロッカーズ追悼のざわめきジャームッシュ作品等が想起され80年代インディーズムービーの先駆かも。しかし飛び降り戦犯親父の特撮人形落下シーンそのグランギニョール感はすばらしくジヤンルも時代も超越している。80年代に発掘されてたらカルトフィルムまちがいなしだったろう。山際永三カルトドラマ恐怖劇場アンバランスの原点でもある。それにしても大宝映画って大江健三郎の飼育といい本作といいなんでこうブラックマジカルなんだろう。
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