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アメリカン・ビューティーのtorakoaのレビュー・感想・評価

アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)
3.5
前半結構気分悪かった割にちょこちょこ笑ったし、これで案外後味悪くないってのは凄いことだと思うし、意外ときれいにまとめたなーと私は思った。

エンディング曲は、そうきたかなるほどー、みたいなのがあったので知らずに観たほうがいいと思う。
『All Right Now』の入れ方も好きだった。

序盤に生理的嫌悪感みたいなのとか嫌な感じが結構あったんだが、つくりやテイストはよくあるコメディだと気づいてしまってより嫌な気分に。ちゃんとここにもコメディて書いてあったんだな。コメディなんだよなあ。全体的な印象と後味はそうではないけど。
『メリーに首ったけ』とかその辺のコメディあるあるなつくりやテイストのまま、 主人公やヒロインからピュアさや誠実っぽさをなくして、妻子持ち中年主人公にして、明るさ楽しさを極力なくしてシリアスっぽくしたのがこれ、みたいな感じ。

笑えるかドン引きするかみたいなラインは物凄く個人差あると思うからどうかなー。主人公の妄想シーンとかもっと寸止めな感じなら緩和されてたかなー。隣の高校生男子もかなり気持ち悪さあったからどうかなー。
ケビン・スペイシーにはあまり愛嬌がないので緩和される感じもないかなー。

彼は何となく厭味があるドヤッとした感じが苦手な俳優の一人なんだが、これまで観た彼の中ではその辺割と薄かったと思うし、終盤の憑き物が落ちたような感じは素晴らしかったし、彼の幅の広さを観られるのではないかと思う。

意外なことに、架空の物語的ながら登場人物が話の都合で動かされてるだけみたいにはなってない。キャラ設定がそれなりに漫画臭い割にちゃんと生きて動いてる感がある。作り手の都合によってのみ動かされてる感ある人物があまりいない。これは地味に凄いことな気がする。

隣家の息子は眉毛が何か凄かった。主人公の妻の同業者の人も目立つ眉毛の人だった。監督とかが眉毛に一家言ある人なんだろうか。

クリス・クーパー出演作ゆえ鑑賞。
主人公の隣に越してきた、多分マッチョイズムを重んじるアメリカ野郎な軍人。この前に観た『遠い空の向こうに』もマッチョイズムを重んじる脳筋アメリカ野郎みたいな感じの役だったなー。まあ典型的ってことでありがちなキャラ付けなんだろう。
役柄はネタ的かもしれないが、彼はどシリアスである。おおおーと思う演技が随所にあった。ほんに芝居巧者だこと。
今回は彼の濡れTシャツ姿が観られる。ちょっとウケてしまった。コリン・ファースが濡れ白シャツでネタにされてたの観て以来、じわじわ笑いが込み上げてくるようになっているため。
大丈夫だよクリス、面白かったよ。そこ不安に思ってたか知らないけどw
妻はアリソン・ジャネイだった。

字幕がちょいちょいわかりづらい。吹替あって助かった。

字幕「“今日は残りの人生の最初の日”というポスターを?その例外が1日だけある」
???そんなわからないナレーションがあっていいものなのか。
吹替「確か、あるポスターにこういうコピーがあった。“今日は残りの人生の最初の日”。しかし例外と言える日が一日だけある。」

んー。「を?」を「があった」とかにすればまだすんなり通ったかなー。多少字数増えてもわかるもののほうがいいと思うよー。
映画苦手だった理由の一つが理解困難な字幕語だったので、こういうのに遭遇する度、映画ファンの人達は理解できて凄いなあと思う。私は引っかかりを感じて話に集中できなくなる。
戸田奈津子かなと確認したらそうだった。わからないのと日本語として・会話としておかしいのは困りますよ本当に。

字幕「スパイを?」
吹替「監視してたの?」
英語字幕「You were watching me?」
“スパイ”は違う気がするんだが、高齢の方の言語感覚ではそうなるんだろうか。

「かわいそうな母さん」も妙だったので確認した。
吹替「母さんに何もしてあげられなかった」
英語字幕「I wish things would have been better for you.」

あとクリス・クーパーが男のチンポコ言ってた。吹替は「人のモノ」でしたよ。他にも言い方あるだろうにシリアスな場面でチンポコはどうか。あと「男の」よりは「人の」とかのがいいような。ちょいちょい集中力削りにかかってくるよなーこの人。

吹替入、英語字幕入、レンタルDVDに映像特典・コメンタリーある。BDは本編のみかも。
字幕:戸田奈津子
吹替翻訳:栗原とみ子
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