せーや

恋におちたシェイクスピアのせーやのレビュー・感想・評価

恋におちたシェイクスピア(1998年製作の映画)
4.0
I don’t know… It’s mystery.

16世紀、ロンドン。
劇作家ウィリアム・シェイクスピアは
新作の台本の執筆が進まずに悩んでいた。
そんななか、次作の演劇のオーディションで
1人の俳優志望の青年を見つける。

名作「ロミオとジュリエット」の生まれた舞台裏。
フィクションですけどね。
しかしフィクションながら非常によく出来た
シェイクスピアの作品のような映画。

スランプに陥っていたシェイクスピアが
1人の美しい女性と出会ったことで
スランプから脱するものの
そこには様々な困難が待ち受けている、という話。

シェイクスピアが
ヴィオラの男装姿に全く本人と気付かないというのは
なんとも滑稽な話ですが、そんな所々に喜劇を交えながら
最終的に悲劇と喜劇の両方を交えた結果に終わる、
そんなシェイクスピア作品のような映画です。

シェイクスピアの絡んでくる作品は
いつもいつもセリフが詩的すぎて
もう何を言ってるのかよくわからないし
現代っ子からしてみるとキザすぎて
もはや少女漫画の粋に達しています。
そう考えると女子ウケはいいのだろうか。

それでも、二人の恋模様はドラマチック。

あんなに稽古中にイチャイチャしてたら
絶対二人の関係に気付くやつが表れそうなもんだが…
そもそも男装のヴィオラとディープキスしてたら
シェイクスピアが誤解されそうだし。

そんな疑問を無視しながら
二人の恋模様は悲劇へと向かっていきます。

そこで登場するのが貧乏貴族ウェセックス卿。
我らが英国紳士コリン・ファース様が演じています。
この人は本当に貴族の出なんじゃないかというくら
品位に溢れている人なんですよねぇ。
しかし今作ではシェイクスピアの恋敵。
品位に溢れた嫌味な野郎を気持ちいいくらいに熱演。

ジェフリー・ラッシュが三枚目に徹することで
重すぎない適度な喜劇要素が入っているので見やすい。
イギリス映画に欠かせない、そんな存在感を放つお方。

「ロミオとジュリエット」
それはヴィオラという一人の美しい女性との出会いから生まれた。
絶対に結ばれることの無い、許されぬ恋。
けれど二人は一時の幸せな時間にこの上ない喜びを感じ、
そしてその先の未来を案じてもいた。

シェイクスピア作品を読んでおくと、
セリフや演出などを、より楽しめるかも。
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