アン

ニューヨークの恋人のアンのレビュー・感想・評価

ニューヨークの恋人(2001年製作の映画)
2.3
ヒュー・ジャックマンとメグ・ライアンを個々で見ると装いや雰囲気は素敵なのですが、どうにもこうにも二人の間でおもしろい化学反応は起きませんでした。絆や共感が生まれるような関係を気づく描写もない中で、急速に接近する二人のロマンスには説得力もなく憧れが介入し得ません。
また現代のバリキャリ(死語(死語))が19世紀から来た男性に頼るシーンが後半に行くにつれ増え、結果メグ・ライアン演じる主人公の"仕事のできる女"感を薄めさせ、自立性や強さ、強かさを弱めてしまっているように感じました。

序盤のエレベーターが全国的に故障した設定ですが、もっとおもしろおかしく物語に組み込むことができたのではないでしょうか。
電動式エレベーターの発明家レオポルドが現代にやってきたことでタイムパラドクスが発生し、結果エレベーターの箱は残っているが"電動式のエレベーター"が発明されていないため全国のビルでエレベーターが機能しなくなったなどの設定をつけることで話を広げることができます。
エレベーターが使用できないことから困った人々が19世紀からやってきたレオポルドを元の時代に送り返したいが、レオポルドは現代の女性に無意識の恋をしてしまい過去に戻ることを拒否する、なんてどうでしょうか。

一番に不快(不快ではない)だと感じたのは、純度100%の恋愛映画のような内容であることに対してオープニングが下品すぎたことです。
ビルを男根に見立てて、勃起勃起勃起(エレクション)と連呼していることになんのユーモアも面白みも感じません。ゲスなコメディ作品であれば話は別ですが、今作は恋愛映画です、論外でした。
アン

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