クオリティが高いのに、肩の力が抜けてて、センスがいい映画ってこういうのだなーっと嬉しくなる。音楽も最高。
出てくる人達が皆んな愛しい。特にアンドリュー・ストロング。人物的には問題ありありだけど、歌わせたら完璧。キャラクターもビジュアルも、このバンドのボーカルにぴったり。妙な親近感で、つい笑ってしまう。コーラスのブロナー・ギャラガーの顔も大好き。
そして、アラン・パーカー監督ならではの映像美と世界観。ダブリンの空気、ストリートの雰囲気、目には見えないものが見える。
印象的なのは、中盤、ジミーが洗車機?みたいな間を通り抜けて、こちらに向かって歩いてくるシーン。地上から沸き上がる蒸気、人物のシルエット、深い陰影。一瞬、時が止まるほど魅了される。
主役のジミーは掴みどころのない不思議なキャラクターだった。本当は存在しないのかもしれない。ストーリーテラーとして、ラストは語りで、キラッ✨と締め括った。