しの田

ウィッカーマンのしの田のレビュー・感想・評価

ウィッカーマン(1973年製作の映画)
3.0
 ミュージカルか? ってくらい歌と音楽に溢れた作品。ショッキングな描写はそれほどなく、民俗文化とか信仰について考えさせられる。
 主人公はちょっと独善的なところはあるけれどいたって真面目で理性的な人物で、常に冷静に行動をしている。それなのに、大して凝ってもいない罠にかかって追い詰められて、すっかり萎縮してしまう。みんなに取り囲まれても大立ち回りをすることもなく、あっさりと檻の中へ。何というか、数の暴力というのは、物理的なものじゃなくて精神的なものだよな、と思う。大勢に取り囲まれたら抵抗なんてできない。生贄になるのは若い女の子、という先入観を逆手にとったラストはゾッとする。
しの田

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