がぶりえる

ウィッカーマンのがぶりえるのレビュー・感想・評価

ウィッカーマン(1973年製作の映画)
3.4
異文化というストレスと暴力

言葉選ばずに言うと「キモい映画」だった。僕らの「普通」とか「常識」が一切通じない世界。オープンすぎる性教育、裸で踊り狂う女性、男根のオブジェの周りで合唱する子供達、そして、神に生贄を捧げて、豊作を祈る奇妙な祭典。変なコスプレして、変な歌歌いながら島を練り歩くシーンを見て、率直に気持ち悪いと思った。

「風習」とか「教育」とかが人の価値観とどれだけ密接に関わっているかが分かる。この島で育てば素っ裸で踊ることが普通だし、警官は異常者になる。だから、変態島の住人は悪びれる素振りは全く見せないし、至極普通にヤバい事をする。根本的になぜ人と人がわかり会えないのかという問題について触れている作品のようにも感じた。人は皆、異文化人から見た変態島の住人なのだ。