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キー・ラーゴのLOPのレビュー・感想・評価

キー・ラーゴ(1948年製作の映画)
4.2
フロリダの亜熱帯気候に属する小さな島。
うだる暑さに、迫りつつあるハリケーン。
瀟洒なホテルにはかつての部下の家族と飲んだくれの女、素性のわからない曲者たちが揃っている。
不気味な雨風の音ともに何かが起こりそうな予感が漂う。
完璧な舞台装置が揃い、長くて緊張感のある夜が始まる。

30年代はギャング役で腕を鳴らしたボガートが理想主義と現実の狭間で揺れ動く退役軍人を演じ、屈指の性格俳優エドワード・G・ロビンソンが際限のない欲を持ったギャング役を演じる。
こちらも完璧な配役。
かつての私立探偵もののボガート像の延長線上にありながらも、世俗の揉め事とは距離をおこうとする現実主義的な一面が新鮮でもある。

そして真の見どころは、舞台装置の効果を存分に活かしながら展開されるボガートとエドワード・G・ロビンソンの二人による緊張感漂う心理戦である。
名優と怪優両者の演技の衝突。
ジョン・ヒューストン×ハンフリーボガート作品で今の所一番。
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