概ねあらすじ通りなんだけど、想像以上に良かった。
社会に揉まれるにつれ理解出来ない人とも付き合わざるを得なくなって、分からんなりに観る政治ニュースも、SNSの声も全てが騒音に思える日々。
俺に耳を傾けないと危ないぞ、と誇示しないと吠えられない主人公は卑屈で哀れでマンスプ野郎。でも騒音に埋もれたくもない、弁明の機会すら与えられず、一声も悲鳴を挙げずに食い殺されたくない。そんな自身の身勝手な一面を自覚させられた。
それまで爽快な程に言いたい放題だった主人公が、自身の暴力性に気付かされる終盤のシーンが好き。耳と目を閉じ、口を噤んで孤独に暮らせ。果たして。
