爆裂BOX

アラクノフォビアの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

アラクノフォビア(1990年製作の映画)
4.0
ベネズエラのジャングルに生息する猛毒グモがアメリカのアメリカの郊外の町に潜入。普通のクモと交配し、大量繁殖していく…というストーリー。
スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮、スピルバーグと組んで「インディ・ジョーンズ」シリーズや「バック・トゥ・ザ・フューチャー」等のメガヒットシリーズをプロデュースしてきたフランク・マーシャルの初監督作でもあるクモパニック映画です。
アザートン博士はベネズエラのジャングルで新種のクモを発見する。そのクモに刺されたカメラマンの死体に紛れ込んだクモはカリフォルニアの小さな町に辿り着く。一方、その町に妻モリーや子供達とやって来た新任の医師ロスは、患者が次々と原因不明の死を遂げて町民に悪い噂を立てられる。死体を解剖したロスは驚愕の真相に辿り着く、という内容です。
子供の頃は休日や金曜ロードショーにテレビでよく放送されていた印象でしたが、久しぶりに見ましたが、やはり面白いですね。冒頭のジャングルのシーンは「こんなに長かったっけ?」と思いましたが。
タイトルはクモ恐怖症で、主人公が幼い頃のトラウマでこのアラクノフォビアになっていますが、主人公がクモ見て怯えるシーンは主人公の怯える顔アップばかりで毒グモに怯える一般人と大差ない感じでアラクノフォビアを上手く物語に活かせてる感じはしなかったな。ここはベタでも画面が歪んだりぼやけたりといった演出しても良かったんじゃないかな。
本作に登場するクモは南米のジャングルにすむ新種で、大きさは通常サイズですが一噛みで人間に心臓発作起こさせる強力な毒を持っており、普通のクモと交配して大量のクモ生み出す繁殖能力も持っています。町中に散らばったクモ達が、ランプの中やアメフトのヘルメットの中、スリッパのつま先やポップコーンの中に紛れて人間噛んで死に追いやる所は日常的に使う物の中に危険なクモが潜んでいるというちょっとリアルさを感じました。グロいシーンはないですが、死体の鼻からクモが出てくるシーンはギョッとしますね。また、シャワー浴びてる女の顔に飛びついたり、後半主人公の家の中に大量のクモ達が湧いてきて、ドアのカギ穴や隙間、排水口からワラワラ出てくる所はゾゾゾッとさせてくれます。クモは本物とパペット使って撮影しているんでしょうが、リアルさと気持ち悪さ出せていたと思います。
登場人物は引退翻す前任の嫌味な老医師や腰巾着な保安官等ちょい嫌な奴目立ちますね。主人公もちょっと田舎バカにしてる風感じるし。
主演のジェフ・ダニエルズのクモ見てギャーギャー叫んだり怯える姿は良い演技でした。昨年亡くなったジュリアン・サンズがクモ博士役で出ていたりメジャー作品だけあって出演者は豪華。中でもやはり害虫駆除業者を演じたジョン・グッドマンが頭一つ抜きんでて目立ってていいキャラでした。後半、完全装備でピストル型噴射機で殺虫剤クモ達に吹きかけて蹴散らしていく姿カッコよかった。一番いいキャラでしたね。
地下のワインセラーでの主人公と女王グモ・総司令官グモとの最後の戦いもスリルあってハラハラできて楽しめました。ここでの主人公のキレっぷりも楽しい(笑)総司令官クモも「キシャ―!」と鳴きながらダクトから飛び掛かって来たり、火の中に投げ込まれても火達磨になりながら飛び出て来て向ってきたりとタフでパワフルでしたね。
ラストは田舎でも都会でも危険はあるという事かな。あの町また医者いなくなって大丈夫なのか。
コメディタッチでホラー感は少ないですが、クモ達の気持ち悪さや特殊効果などメジャー作品だけあって今見ても楽しめる作品ですね。