このレビューはネタバレを含みます
寂れた地方都市の国道は怖い。
なんかどこまでも続いている気がするし、この辺りの人達の人生はここで完結してしまっている気がする。実際はそんなことないんだろうけど。その閉塞感が主人公の男の心情と共鳴している。
同じ場所でも全く違う使われ方をする。分かりやすく光と闇を描いているが本当に光だと思った方が光で闇だと思った方が闇なのだろうか。ただ練炭自殺の車内からアイドルのPVを映すショットは狂気的で、人間が1枚で表されている気がした。
本当は彼らは気づいていたんじゃないだろうか。同じ場所でも楽しむ人もいれば苦しむ人もいる。気付かないふりをして。それが人間だと思った。