K助

アイガー・サンクションのK助のレビュー・感想・評価

アイガー・サンクション(1975年製作の映画)
2.2
大学教授で美術愛好家で登山家で女好きで殺し屋。属性盛り過ぎィ!(笑)
46年前の作品で、既にクリント・イーストウッドが監督/主演です。

味方の諜報員が殺された。暗殺者を始末する為に、殺し屋稼業はセミ・リタイア気味だった主人公に白羽の矢が立つ。分かっている事は、その暗殺者がスイスアルプスのアイガー壁に挑む片足が不自由な登山家だ、という事だけ。主人公は登山の訓練を行いつつ、アイガーに備える。そして向かったスイスで、主人公は3人の登山家と共に、アイガー壁登頂に挑む。誰がターゲットなのか、わからぬままに…。

昔の映画だ、という事もあるのでしょうが、全体的にテンポが悪く、サスペンス映画でありながら緊張感に欠ける作りになっています。オチも含めて、そちらを期待する向きはガッカリするでしょう。
が、この作品の肝は、上映時間の半分にも及ぶ、山のシーンです。主人公が登る事になるアメリカの砂漠にある岩山、アルプスの山々。そこを見事なまでの空撮で、フィルムに収めています。もうこれは、登山映画。間違いない(笑)。
アメリカ中部の岩山頂上から見る絶景、そして半世紀前のスイスの景色を楽しむ。これこそが、この映画の本質です。

時代もあるのでしょうが、人種的偏見や女性の扱いに、時代を感じさせます。今となっては顔をしかめる表現が目につきますが、それが「時代の流れ」というものなのでしょうね。
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