Benito

喜劇 女は男のふるさとヨのBenitoのレビュー・感想・評価

喜劇 女は男のふるさとヨ(1971年製作の映画)
4.1
【 高度成長で失われた懐かしい風景を見た 】

森崎東が監督、山田洋次が脚本。
「男はつらいよ」繋がりのふたり。
「喜劇_女」シリーズの1作目(計4作)。

日本経済の成長によって古き良き懐かしい風景が消えつつある1971年の作品。映画は新宿の当時の雑多な風景を映し、そのままロードムービーとなって、日本の今はない懐かしい風景を映してくれる。

お話はストリッパー斡旋所を経営する夫婦がメインの群像喜劇。ストリッパーたちの面倒を見る夫婦を、森繁久彌と中村メイコが演じていて、ふたりの絶妙な間合いが素晴らしい。こういうのが本当の芸能なんだなって。そして登場人物のキャラが揃って個性的。踊り子の倍賞美津子と緑魔子の陽と陰のコントラストもいいし、河原崎長一郎の訳ありなんだけど真面目一徹なところ、隣の菊さん役の犬塚弘、ケチ権役の伴淳三郎、痴漢でチョイ役の佐藤蛾次郎、他にも名古屋章や左卜全と芸達者揃い。 

騒がしいけれど、、
人情溢れたノスタルジックな作品。
Benito

Benito