CANACO

告発の行方のCANACOのネタバレレビュー・内容・結末

告発の行方(1988年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

1988-1989年公開のジョナサン・カプラン監督作品。ジョディ・フォスター、ケリー・マクギリス主演。原作なし。
ケリー・マクギリスは『トップガン』(1986)の2年後に本作に出演。この3年後に『羊たちの沈黙』(1991)の主演を演じる。ジョディは本作と“羊”で二度、アカデミー主演女優賞を受賞。

レイプを扱った法廷劇で、実行犯だけでなく、周りで囃し立てた人間も有罪にすることができるかに焦点を当てている。ジョディ演じる女性は社会的地位が低く、事件直前にお酒とマリファナをやっていて、際どいジョークを発したりしたことなどから検事側に不利と判断される。

ジョディが、上流家庭の出ではなくても怒りと悲しみに満ちた芯の強い女性をしっかり演じていたので、フィクションでも説得力があった。ケリーは淡々としすぎていたので、もう少し人間味のある芝居をしてほしかったかも。くるだろうと思っていたけど終盤の再現シーンは見ていられないほど苦しい。ケダモノといっていい。

のちに告訴される教唆・扇動側の男の下衆さは映画にしても酷い。本編終了後、6分に1件レイプ事件が発生しているとテロップが出るが、東洋経済オンラインの2016年の記事によると、米国連邦機関・疾病予防管理センターの2014年9月の報告書でも5人に1人のアメリカ人女性がレイプ被害に遭ったことがあるという結果が出たらしい。被害者に非があるとするセカンドレイプの屈辱は想像するだけで辛い。感情だけでいえば極刑にしてほしい。
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