奇術師あがりの成金野郎、ジョンローンが演るしかないってくらいハマる。イキると下唇がついつい前に出てしまうジョンローン、自らを暗示にかけたエア手錠で川に落下、入水、死に顔、全部良い。ウォーレスショーンの狂言葬儀で、地面からニュッと出てくるジョンローンの解放シーンはルドルフのロマンチックな演出が歪な方向に向かっていて好き。フェイク的な遊びが多め、あの頃のパリのカフェの日常が現代にスライドする一瞬のシーンは、こないだみた浜野監督の「第七官界彷徨」をちょっと思い出したりもした。そんで登場からもう信用ならないオーラ出しまくりのジェラルディンチャップリン最高。フィオレンティーナとビジョルドが霞むくらい強烈に素晴らしい。
