(ルパン+カポネ)=(「オー!」=フランシス・オラン)
今作のジャン=ポール・ベルモンドに対するわたしの心の変遷は、概ね以下の通りである。
きゃわっ → きゃわわっ → ドジっ → 臭っ(刑務所) → やるなー(脱獄) → ガキっ(自己承認欲求すご) → ヤバっ(他者承認欲求もホントにヤバ) → あ、ドヤしてるー! → そっか、見下されてるのがホントにヤだったのね → (これ以降は略)
2時間弱の尺のなかで、ジャン=ポール・ベルモンドに対してこれだけの感情を抱けるのって凄いことかも。どこを切ってもジャン=ポール・ベルモンドなのに、味はそれぞれちょっとずつ違うんだぞ!
後半、話が進むにつれ、やがて行き着く先が予想できてしまうような気がしてしまうので、途中から異様にドキドキしてしまった。めちゃくちゃ心配になった。ほとんどがガキンチョの様相だったけど、終盤、彼にとって取り返しのつかない出来事が起きた後に、ようやくオトナの顔つきになった。失ってはじめてオトナになるなんて。失ってからしかわかんないなんて本当に。そしてまた所在なげな&心許ない小動物のような表情に(冒頭、彼が抱いたモルモットとの重なりかも)
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*ここでもジョアンナ・シムカスは言葉を失うほどの美しさ
*わたしも今作はスコセッシの「タクシードライバー」などに影響を与えたように思いました(タクシードライバーも今作も、主人公が映画館にいる場面がある)
*これは、あとになって振り返ってみるほどに、心に残る作品になっていくような予感(今は未だ予感)
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「オー!」というのは、ジャン=ポール・ベルモンド演ずるフランシス・オランに対して年上の人たちが見下して言った呼称。でもこのレビューの最後は、見下しじゃなくて心をこめた言い方で締めてみたい
オー!(HO!)