イチロヲ

シベリア超特急2のイチロヲのレビュー・感想・評価

シベリア超特急2(2000年製作の映画)
4.5
シベリア鉄道の線路爆破工作により足止めを余儀なくされた日本の視察団が、満州のホテルにて殺人事件に巻き込まれてしまう。ヒッチコック監督「バルカン超特急」の冒頭部を下敷きにしている、サスペンス映画。

この頃になると、みうらじゅん氏の影響力により、すでにサブカル界隈では抜群の知名度を誇るようになっている。公開当時の「シベ超祭り」は、立ち見ができるほどの大盛況。まるでプロレス会場のような盛り上がりを見せた。

映像に山下陸軍大将が登場すると、歌舞伎の鳴り物と同時に、客席から「いよっ!」という掛け声。殺人事件が起こると、待ってましたとばかりに観客が足を踏み鳴らす。前者は歌舞伎好きの監督が本編内に仕込んだものだが、客席からの声は自然発生によるもの。

総合エンターテインメントとしての完成度が高く、終始口角を上げながら鑑賞することが可能。満州のホテルなのに窓が現代のものになっている等、ツッコミどころも満載。パロディ要素の元ネタは、もはや映画マニアですら分からないレベルに達している。
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