政界の黒幕の暗殺計画を知らされた看護婦（夏樹陽子）が、濡れ衣を着せられた恋人の敵討ちを胸に秘めたまま、冤罪により収監されてしまう。篠原とおるの劇画「さそり」を映像化している、東映「女囚さそり」シリーズの第6弾。
ファッションモデル出身者である夏樹陽子の役作りがポジティブに働いており、梶芽衣子の雰囲気を適度に引き継いだ状態での「新さそり」が完成されている。短いカットながら、きちんと乳房を露出するし、問答無用の眼力も備わっている。
新要素としては、刑務所側の不正に感づいた看守（地井武男）が、さそりと手錠でつながれた状態で、逃走劇を繰り広げるという展開が用意されている。一緒に行動を続けるうちに、恋愛感情とは別の、男女間の「友情」が芽生えてくるところに感動を禁じ得ない。
二人を執拗に狙う悪役を舘ひろしが好演。前作までステレオタイプ化されていた悪役が、妙に人間臭くなっているところも必見。ただし、下腹部の近くまでスリットが入っているコスチュームは、ラストの8分間ぐらいしか拝むことができない。
