とても良い映画なんだが、胸をドシンと突くような何かは無かった。
日常の連続と断絶が並行して起こる時、人はどちらにすがるのか。
精神分析医という設定は、この物語をパルムドールに値する作品までのし上げた巧妙な目の付け所であるように思う。
監督が主演をやっているからなのかわからないが、ところどころ次のセリフや動作を予想して考えて動いているのが見えて、そこが気になった。
例えば、主人公が自分の責任感を吐露するシーンは、妻のセリフが用意されきったもののように思えるし、手紙を書く途中落書きに変わるのもどこか計算された雰囲気が漂う。
現場の連続と断絶は、区別されなければいけない問題のように思える。