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ボルベール <帰郷>のminのレビュー・感想・評価

ボルベール <帰郷>(2006年製作の映画)
4.0
構成がとてもよく出来ていて、最後まで観終えてからもう一度観直して頭に?を浮かべつつ流れて行ったシーンたちを納得しながら再確認してしまった。

舞台はスペインのラ・マンチャ。
物語のテーマは酷くて暗くて閉鎖的。
でも、それを感じさせないエネルギーがそこにはあって、生きる地力が根本的に違うということをひしひしと感じた。
この映画に登場する女性たちは口にするのもおぞましいことに襲われながらも今日を生きていく。自分の身に起きた陰惨な出来事は決して忘れることはないが、普段は記憶の彼方に封印してしまい、それにとらわれたり負けたりしない。そんな強さがあるからこそお互いを許しあえるのだ。

主人公を演じるペネロペ・クルスはあらゆる設定でこの役を非常によくこなしていて、これぞ女優だった。また、ペネロペ・クルスのお姉さん役がそれをさらに上回る良さを出していて、この映画をはじめて観る人を上手に騙してくれる。脚本をパーフェクトに理解していないとこの演技は出来ない。

それにしても、ペネロペ・クルスがトイレで用を足すシーンがあるんだけど、そんなシーンまでもがセクシーってね。

エンドロールのお花も美しかった。
タイトルにもなってる「Volver」の歌も素敵でした。
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