描き方が違うだけで、三島由紀夫の『金閣寺』に通じるものがある気がする。封建社会を知る人々が、戦後社会に葛藤・順応する様が見てとれる。「家」の存続に固執する淳の姿が、天皇制の下に生きた戦前の従順な少年…
>>続きを読む『曼陀羅』が強烈だったため、それに比べると幾分かマイルドな体験だった。
しかしそれでも突き刺さる映像の尖り。「普通の会話してるだけなのに何故ここに影を?!」と度肝を抜かれ、暗闇シーンでの唐突な光には…
強靭な精神で意志を貫くジュンの考え方には深く共感するので、始終拷問のようで辛かった。食事シーンでは咀嚼音がやたら大きく、一体どういう意味なのか分からなく思っていると「食わなければ死ぬ」という展開に繋…
>>続きを読む「哥」
冒頭、丹波篠山の山あいに豪荘な邸宅。鳥の囀り、河の流れ、森山家の山林、旧家、三人の息子、常闇の中一筋の光、財産分配、愛欲、守護神、谷底での炎上…本作は無常、曼陀羅に続き実相寺昭雄がAT…
このレビューはネタバレを含みます
ずっと観たいと思っていた作品の一つ
ようやく鑑賞する事が出来、感極まる思い。
母親の言葉に忠実に従い続ける
ひたむきな青年の実直さ。
懐中電灯でガラス越しに映し出される4人の顔が息をのむほど恐ろしい…
勅使河原宏や吉田喜重のようにATGに関わった監督の作品にはキレッキレの演出とカット割にいちいち痺れるものが多数あるけど、実相寺昭雄のこの作品もその一つ
話の内容は殺人事件の起こらない金田一耕助シリ…