LalaーMukuーMerry

WATARIDORIのLalaーMukuーMerryのレビュー・感想・評価

WATARIDORI(2001年製作の映画)
4.6
我が家の小さな庭にも、生け垣の中の虫や木の実を求めて小鳥たちがやってくる。ヒヨドリ、シジュウカラ、メジロ、ヤマバト…。鳥を見ていると、幸福な気分になる。小鳥の落とした糞のせいで、中にあった種が思わぬところから芽を出してくる。ヤツデ、ナンテン、ハナミズキ…。そんな幼木をみつけてはこの庭では大きくできないからと引き抜いている。それもまた楽しい。最近はツバメが巣を作らなくなってしまったのでちょっと淋しい。

鳥たちの飛ぶ姿を至近距離から撮った映像を初めて見たのは、「グース(原題Fly away home)」(1996)が最初。少女がひなを育て渡りを教えるというストーリーもよかったし、あの映像の爽快感にものすごく感激した。この作品は、それより少し後だし、鳥だけのネイチャーものだからと、見るのを後回しにしてたけど、いやいや見てよかった、これはホントに凄い。「グース」よりもっと寄って撮影している! どうやって撮っているのだろう? 

製作3年、世界中の渡り鳥たちを追ったドキュメンタリー。鳥たちの飛ぶ姿が美しい、その背景となる地上の風景がどれも最高に美しい。鳥目線で見ると自然の風景のみならず、人がつくった建築物も美しく見えてしまうのは何故なんだろう。

爽快だけじゃない、鳥たちの命がけの旅の厳しさに見入ってしまう。良くも悪くも人とのかかわりがいろいろ出てくるし、言葉も表情もないけれど、懸命に生きる鳥たちの姿を見ているだけで涙が出て来て…

これは、「グース」とともに、おススメです。