s

ふたりのsのレビュー・感想・評価

ふたり(1991年製作の映画)
4.4
ウー、癖に刺さるという意味で、大好き・・・・口語ではない、小説のままの語り口が台詞になっている映画に私は弱すぎる。人や家族の描き方に古さは感じるしそれを支持するつもりがなくとも、そのクラシックさにちょっと心を持ってかれてしまうところが、私には、ある また父が好きなものをひとつ好きになってしまったな(文化の趣味は自分でDNAを感じるくらいには気が合う)

赤川次郎のクラシカルな世界の再現としてあまりにも完璧。尾道のロケーション、魅力的すぎる実加の部屋、懐かしさと思い出としての遠さを両立させて久石譲の素晴らしい音楽、この時代の女学生の概念、寺でやるピアノコンサート、雨

ぼそぼそと後ろ向きに喋る石田ひかりが良すぎる。「お姉ちゃ〜ん……」の甘えたとほっとけなさ、それはそれで実加の妹としての魅力なんだけど、これからも気付くことはなさそう 話し方が全員最高な映画だった。
みんなの心を掴んで離さない完璧な姉、というのも中嶋朋子にぴったり 絵に描いたような少女漫画の優等生の美少女、という感じで、良……長いスカートとあの重ためできっちりしたハーフアップが似合う女の子になりたかった。こんなお姉ちゃんに甘えたくなっちゃうの、わかる。

とにかく音楽と尾道の街が素晴らしくて、本編で1ミリも泣かなかったのに曲だけ聴いてノスタルジーで大泣きしながらこれを書いています。私は坂の多い海辺の街が好きなことを自覚した。いつか住んでみたい街の一つです

エンディングの歌唱について監督が「あれはメロディ付きのナレーションです」と話しており笑った
s

s