「次郎長三国志」の森の石松が、次郎長の子分になる所や旅を描いた作品。
若き勝新による活気溢れる石松と、独自の軽快な内容が面白い。
喧嘩っ早い森の石松は、すぐにトラブルを起こす。
そんな彼は、清水の次郎長の子分になる事が夢であるのだが、次郎長のポリシーとして清水のものを入れる気はない。
しかし彼の本気度とどこか憎めない性格が気に入り、晴れて次郎長へ入る。
そして、石松は参次の妹おえんに恋をするのだが…
内容自体はシンプルであるが、とにかく勝新に惹かれる。
酔っぱらった時の喋り方や表情、ラストの殺陣、おえんに恋する様など、魅力に溢れていた。
彼ならではの芝居で、「耐える」様を表現しているところは見所のひとつ。
また、敵役である吉兵衛を演じているのが、マキノ雅弘の「次郎長三国志」で次郎長を演じた小堀明男なのが面白い。