たな会No02

硝子のジョニー 野獣のように見えてのたな会No02のレビュー・感想・評価

4.0
神保町シアター芦川いづみ特集にて。上映直前に芦川いづみからのメッセージが流れる。身体を気遣われた。

やっぱ蔵原惟繕は最高の監督じゃないでしょうか。撮るカットのどれもきまっている。話は救いようのない、主要登場人物全員不幸みたいな話でしたね。芦川いづみがちょっと白痴っぽい役柄を演じてて、清純派のイメージを覆されました。それをかわいいと言っていいのかと逡巡はありますが、ところどころの無邪気さはやはりかわいい。たまらなくかわいい。宍戸錠は登場してすぐやばい狂気をまとっていて期待大でしたが、『殺しの烙印』というお米くんくん映画や、『狂熱の季節』の弟・郷鍈治のような狂気の持続性はなく、ただのカスだった。一方、アイ・ジョージは良かった。警察から逃れてどこでギターを拝借したのか謎ですが、はじめのクズさ加減から、事情を知ってからの右肩上がり感ははんぱないですよ。歌も良かった。最後まで聞きたかったですね。ラストの稚内での入水シーンはなぜ男二人は居場所がわかったのか不明ですが後半以降のストーリーのもっていき方もあってうるっときましたよ。