ガブXスカイウォーカー

クローンのガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

クローン(2001年製作の映画)
3.7
《あらすじ》
西暦2079年。地球は異星人ケンタウロスとの戦争で青い空と豊かな大地の大半を失い、人類はドーム都市での生活を余儀なくされていた。軍の兵器開発局に所属する科学者スペンサーはある日、ハサウェイ少佐率いるESA(地球保安局)の特殊部隊に逮捕される。何と、スペンサーという“人間”はすでに殺されており、現在のスペンサーはケンタウロスが作った「精巧なレプリカント」であり、しかもその体内には爆弾が隠されており、政府要人を暗殺しようとしているというのだ。スペンサーは隙をついて脱走するが・・・・・。


SF作家フィリップ・K・ディックの原作映画の中でもちょっとマイナーな1本。監督:ゲイリー・フレダー(『デンバーに死す時』)、主演: ゲイリー・シニーズ(『ミッション・トゥ・マーズ』)じゃ他のディック原作映画に比べてネームバリューが弱いのは仕方ない。でも、どうせ低予算なんだろと思って鑑賞したら、製作費$40,000,000で特撮は多用されているし、セットなども豪華ではないか。アクション性も高く、主人公は戦いながら逃げ回るので退屈することはない(随所に『ブレードランナー』(1982年)、『トータル・リコール』(1990年)などを意識していることがうかがえる)。なんと言ってもラストのドンデン返しはすごい。誰も予測できないし、後味の悪いことこのうえない。だがSF映画ファンならば観て損のない出来だ(残念ながら異星人ケンタウロスは出てこないが)。
『クローン』は、メジャーなディック原作映画を観て、さらに先に進みたい人向きであろう。