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ミッドナイトクロスのadeamのレビュー・感想・評価

ミッドナイトクロス(1981年製作の映画)
3.0
録音技師の主人公が偶然政治家が起こした交通事故とその直前の銃声を録音してしまったことから、その裏に潜む陰謀に巻き込まれていく姿を描いたデ・パルマ初期の秀作サスペンス。
タイトルと設定をアントニオーニの名作「欲望」からインスパイアされていることで有名ですが、哲学的な問いかけへと向かうのではなく、あくまで娯楽映画として貫徹しているのが良かったです。
POVに長回しに真上から打ち下ろすカットと頻出する独特なカメラワークに加え、デ・パルマの出世作「キャリー」では脇役だったトラボルタとナンシー・アレンのコンビの再起用もニヤリとさせられました。
ストーリーはこじんまりとして地味なのですが、地下鉄からサスペンスが加速していくクライマックスのシークエンスは音で繋がっていることがうまく活かされており、意外な結末が皮肉で哀しいオチへと繋がるのも見事でした。
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