ダイナ

ミッドナイトクロスのダイナのレビュー・感想・評価

ミッドナイトクロス(1981年製作の映画)
4.4
ジョン・トラボルタ演じる音響効果マンのジャックが効果音の収録のため深夜集音をしていたら事故現場に遭遇。世間的には大事にされず処理された事故ではあるものの、ジャックが現場で録音していたテープには陰謀を予感させる音が入っていた…というデ・パルマのサスペンス映画。

事故の音を何度も聞く。事故のスクープ写真を何度も見る。一見些細な雑音、印刷ミス?に思えるものも、それらがクロスする瞬間や現場の状況、登場人物の背景それぞれに共通したフックを見つけると要素間の線が浮かび上がる緊張感。元警官・現音響効果マンという設定が孤独に捜査するその姿を魅力的に見せてきます。また本作のスリル演出も個人的にお気に入りな所。調査・分析・追跡シーンはもちろんのこと、トイレの一連の出来事のカメラワークや扉の下だけで状況を観客に伝えるスリリングな演出、見せる位置の工夫によって印象深くなるもんだなと勉強になりました。中盤くらいまでは大きい動きや見せ場は少ないですが、終盤からの加速具合がアツいのと劇伴の美しさが最高。締め方は個人的に賛否あるんですが、賛寄りの余韻。(いやあの部分を回収する素晴らしい締めだけど…これ良いの?と。)

原題は「blow out」、シンプルながら良いタイトル。音と写真を合致させるシーン・殺人鬼に遭遇してしまうシーンに「クロス感」を感じた自分としては邦題も気に入ってたり。トラボルタがシュッと痩せててめちゃかっこいい〜んでそれだけでも観る価値あり!
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