ある夜、車が事故を起こす瞬間の音声を偶然録音してしまった映画音響技師。
その時の音声を聴き返してみると銃声が混ざっている事が発覚し、闇深い陰謀に巻き込まれていくサスペンス。
「あれは事故なのか?他殺なのか?」
フィルムなどアナログな映像ツールを用いての事故検証はゾクゾクする。
ブライアンデパルマらしいドヤ感強めの演出は健在だが、やはりそれによって緊張感は高められる。
音がキーとなるサスペンスものではあるのだが、本作はそのスリル以上に切ない後味が強烈です…
事件現場に居合わせた被害者女性。
過去のトラウマを抱える男。
事件を独自に捜査すると同時に深まる2人の関係性。
その果てにあったものを見せつけられた時、まさに固まりました。
ラストのぐるっと回る花火のシーンはとてつもなく美しいが、そこに「綺麗」という感情よりも別の何かがグサリと刺しにきます。
トラウマを乗り越えるために自ら茨の道を進む。
果たしてその選択によって何か上向いたのだろうか…
そして追い打ちをかけるエピローグ…
冒頭のコメディチックな劇中B級ホラー映画がこんな形で回収されるとはあまりにも憎過ぎます…