青二歳

ミッドナイトクロスの青二歳のレビュー・感想・評価

ミッドナイトクロス(1981年製作の映画)
4.0
アントニオーニ“欲望(Blow up)”オマージュのデ・パルマB級スリラーBlow out。色々とクドいけど好み。主人公トラヴォルタがB級ホラー専門の音響という職業が素敵。出くわした自動車事故の音によって事故でなく事件だと知ってしまい、殺し屋に追われることになるという音響マンならではの話の転がり方がいい。元々通信技術の天才で軍や警察にいたという異色のキャリアも主人公の行動動機につながっている。
その音源を得るのも出歯亀というか、映画の音源収集のために勝手にラブシーンを録音しているというなんともアカン感じのゲスな具合で、その点は“欲望”のカメラマンがのぞき趣味で変な写真を撮っちゃうというのになぞらえられているんでしょう。
そして音響のプロに対しこれまたプロフェッショナルの殺し屋。完璧主義…なんでしょうけど、すごい余計なことしてるんですよね…そう思うと可笑しくて可笑しくて。
普通は極めてダサくなる80年代の古くささが、何故かいい塩梅におしゃれ。
青二歳

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