つるみん

恋人たちの食卓のつるみんのレビュー・感想・評価

恋人たちの食卓(1994年製作の映画)
3.8
【この味は…】

アン・リーの父親三部作による最終章。

主人公の父親は、高級ホテルの凄腕料理人。北京、上海、広東、四川の4大中華を極めた名人。毎週日曜は娘3人に対して料理を振る舞う父親だったが、味の感覚が分からなくなり…。

『推手』『ウェディング・バンケット』と比較すると個人的には劣るが、これはこれでとてもハートフルな良作であった。三部作の中でも一番しっとりとした印象があり、それでありながら真面目な作品である。
三者三様の娘たちに振り回されながらも、父親として愛情を注ぐ。それは決して一方向の愛ではなく、娘から父親への愛も感じ取れるのが痺れる。

そして何より、本格的な中華料理の数々が腹を空かす。もうOPの作っているシーンから飯テロ映画確定であり、また豪華に揃うものだから、今すぐにでも中華を食べたくなる。

ちなみに本作、『恋のトルティーヤスープ』という邦題でハリウッドリメイクもしているらしい。
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