バナバナ

恋人たちの食卓のバナバナのレビュー・感想・評価

恋人たちの食卓(1994年製作の映画)
4.5
1994年の初期のアン・リー三部作の一つだけど、未だ色褪せずに面白い。

台湾の5つ星ホテルのコック長の男やもめの父と、その娘三姉妹の家族の物語。
三女は末っ子らしく能天気でしたが、長女が神経質そうで居て、実は自分の事で精一杯の大雑把な人だと思った。
そして、意外だったのが、美人で若いながらも航空会社の管理職をしている次女が、恋愛もして自由を一番謳歌してそうに見えたが、
実は、一番家の事を考えている堅実な性格だったのが面白い。

次女が付き合っていた男が「彼女は料理が上手いんだ」と言っていたが、
次女は子供の頃はプロの調理師になりたかった位、料理の腕はプロ級で美味しかった筈なのに、その彼女によく言えたなと思った。
まあ、この男は他にも不躾な言動をしていたけど、さりげなく台詞でそれぞれの性格が端的に分かるところが、アン・リー作品の凄さですね。
ラストは大どんでん返しもあり、本当に面白い作品でした。

父親役のラン・シャンさんは、既に2002年にお亡くなりになっていたんですね。
私は彼の『推手』のキャラクターが一番好きだけれど、今作の、大酒を飲まないと発表できなかったお父さんも、相変わらず無口なキャラだけど可愛げもあって楽しめました。
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